「夫を捨て家捨てて鯵叩きけり」 (平成7年鈴木真砂女) 豆電球が灯る薄暗がりの部屋に、膝頭をそろえ三つ指をついた母が頭を下げしばらく動かなかった。私は、ぼんやりと母の膝を見ていた。母は泣いているようだった。 何が起きているのか理解が出来なかっ…
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