紅の豚次郎「真砂女」の俳句旅

俳人鈴木真砂女の「銀座に生きる」をたずねて

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

鴨川から仁右衛門島へ(3)

「人のそしり知っての春の愁いかな」(昭和29年真砂女) 昭和29年は、真砂女さんの句風が転換していった年という。中村苑子さんや成瀬櫻桃子さんによると「情感」、「潤い」、「内省」という傾向が顕著になってきた年と言う。 さて、仁右衛門島。 何かと魅力…

鴨川から仁右衛門島へ(2)

のどかな漁村の道だった。 暖かな空気の中、仁右衛門島(にえもんじま)に向かって歩いていると、浜にはたくさんの漁網が干されていた。 「海老、鮑生簀を異(こと)に花ぐもり」(昭和46年真砂女) 渡船場の杭に生簀籠がつながれて波間にゆれ浮かんでいたと…