紅の豚次郎「真砂女」の俳句旅

俳人鈴木真砂女の「銀座に生きる」をたずねて

ジオサイト中木へ(6)

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 「しぐるるや切られて白き蛸の肌」(中木にて 昭和44年 真砂女
 真砂女さんは、中木のどこが気に入ったのかな。
 最初は、誰かに石廊崎の奥に中木というところがあって、おいしい料理が食べられるよと教えてもらったのがきっかけだろうか。
 朝、漁業組合の放送が入り「今日の10時から鮑とサザエの漁を行います」とアナウンスが流れた。おや、一日遅く来たら鮑が食べられたのかな?
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 「とこぶしと鮑とならべ春の風」 昭和32年 真砂女)
 伊勢海老漁は10月頃からか。
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 夕食の味噌汁に入っていた亀の手(藤壺も入っていた)。美味しい出汁がでる。身も案外詰まっていた。形は、柱状節理に似ている。何ともジオサイトらしい。
 食べ物の他にはやはり人情だろう。都会にはない、分け隔てのない人懐こさ。誰でも受け入れてくれるような、故郷へ帰ってきたような郷愁。
 民宿上根の居心地のよさ。それは他の民宿にも、今も引き継がれているだろう。
 殿羽根の女将さんが、夏休み中はものすごく混雑すると言っていた。この期間ヒリゾ浜を訪れる人が非常に多いそうだ。おすすめは9月の中旬以降。その頃には静かな中木が戻っているのだろう。
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 最近伊豆がジオパークに認定されたように、ダイナミックな奇岩の景色も魅力的だ。「ジオサイト」の言葉は、「伊豆の山歩き海歩き」というトレッキングガイドブックに出ていた言葉だ。 
 人間の営みなど地球の歴史からみれば、一瞬の風でさえもないのか。ふとそんな思いが頭をかすめた。
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 「夏帯や運切りひらき切りひらき」昭和32年 真砂女)
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 美味しい朝食を食べて満腹だ。
 今日も真砂女さんのように、たくましく潔く生きていこう!
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